目次
授乳クッションの基本的な使い方について解説します。
上手に授乳クッションを使って、楽に授乳をしましょう。
授乳クッションの必要性
毎日の授乳は思いがけない重労働だったと感じているママは多いことでしょう。
授乳クッションを上手に使うために、そもそもクッションを使う理由や目的を改めて整理しましょう。
1.ママの肩こりが解消される
まず、授乳クッションを使う一番の目的は、「肩こりの解消」です。
実際に経験をしてみると、赤ちゃんへの授乳は本当にたいへんであることを実感します。
まず、新生児だと20~30分の授乳を昼夜問わず1日10回以上も行う必要があります。
授乳による睡眠不足と疲労が重なって、ママの体は悲鳴を上げ、わずか3kg前後の新生児を抱きかかえるだけでも、肩や腰、手首に痛みを感じるようになります。
しかも、赤ちゃんは成長して体重が増えるので、放置すれば痛みは悪くなる一方です。
しかし、授乳クッションを使えば、腕にかかっていた赤ちゃんの体重の多くをクッションが受けとめてくれるので、本当に楽になります。
授乳が苦痛になる前に、クッションを使って赤ちゃんとの大切な時間を楽しみましょう。
2.母乳が飲みやすくなる
ママが赤ちゃんを支えることに疲れて腕が下がってくると、授乳中に何度も何度も抱き直す必要が出てきて、赤ちゃんも落ち着きません。
授乳クッションを使うことで、腕でしっかりと抱きかかえることができるようになり、安定感が増して赤ちゃんにとっても飲みやすい姿勢が維持されます。
授乳クッションを正しい抱き方を維持することにより、母乳を残さずしっかりと吸ってもらえるのでおっぱいトラブルなども少なくなります。
3.ママもリラックスできる
自分に合った授乳クッションを使えば片手が空くため、雑誌のページをめくったり、お茶を飲んだりすることも可能です。
その結果、日中の授乳タイムはママのリラックスタイムにもなります。
また、鼻炎で鼻水に悩んでいるママであれば、ティッシュで鼻水をかむこともできるようになるので本当に助かります。
授乳クッションはいつから必要?
出産前のママで授乳クッションを用意すべきかどうか悩んでいるのであれば、絶対に用意しておく必要があると断言できます。
それほど、赤ちゃんを抱っこしたまま20分以上同じ姿勢で座り続けることはたいへんなことなのです。
授乳クッションが必要となるタイミングは、生まれた直後からです。
ただし、出産する病院で授乳クッションを借りることができます。
そのため、誕生前に購入するのではなく、入院中に病院の授乳クッションを使ってみて、自分に合っていれば同じものを購入するという段取りでも構いません。
授乳クッションはいつまで必要?
授乳クッションを使う時期には赤ちゃんによって個人差があります。
一般的な事例を紹介します。
1.基本は卒乳まで必要
基本的には卒乳まで使い続けます。
1歳を過ぎると、食事(離乳食)から必要な栄養を摂取することができるようになるため卒乳することができます。
卒乳する実際のタイミングにはママの仕事復帰のタイミングや子供が欲しがるかどうかでも違いますが、おおむね生後10か月から1歳半頃です。
いつも同じ姿勢で授乳をするママが多いでしょうから、最もポピュラーな横抱きで授乳している場合には、卒乳するまでが授乳クッションが必要となります。
2.腰が据わったら不要になる
もし、赤ちゃんを「縦抱き」にして授乳をすることができるようになれば、腰が据わる生後7~8か月頃までに授乳クッションを使わないで済むようになります。
横抱きで授乳しているママも、この時期になったら縦抱きを試してみても良いでしょう。
縦抱きの姿勢がママや赤ちゃんに合っていれば、授乳クッションも不要になります。
授乳クッションの使い方
1.説明書をよく読もう
ひと口に「授乳クッション」と言っても、商品によって形状や使い方が異なります。
使う前に付属の取扱説明書をよく読んで、正しい使い方を心がけましょう。
間違った使い方をすると思わぬ事故になることもあります。
2.U字型の授乳クッション使い方
一般的なU字型の使い方を紹介します。
椅子・ソファー ⇒ 腰をかける
布団・畳 ⇒ 胡坐をかく
抱き方
・横抱き、またはラグビー(フットボール)抱き
授乳クッションを使うコツ
・しっかりと体に密着させる
・厚みが足りなければ膝に座布団を重ねる
赤ちゃんを抱く時のコツ
・ママは背筋を伸ばす
・赤ちゃんの顔とママの胸は真向かい
・赤ちゃんとママの体を密着させる
・ひじの一番深い場所で赤ちゃんの頭を支える
・赤ちゃんのわきの下に手のひらを添える
授乳のためにママが腰を下ろしたら、まずは授乳クッションをしっかりと体に密着させて抱えます。
次に、クッションの上に赤ちゃんを横抱き(ラグビー抱き)にして乗せます。
背の高いママなどでクッションの厚みが足りない場合には座布団などで厚さを調整します。
次におっぱいに赤ちゃんを密着させるために、ママの腕を使って赤ちゃんの頭を持ち上げます。
この時、手のひらや手首を使って赤ちゃんの頭を支えないようにしましょう。
赤ちゃんの頭の重みが筋力の弱い手首にかかってしまい腱鞘炎や肩こりになりやすいからです。
むしろ手のひらは、赤ちゃんが授乳クッションから落ちてしまわないように、赤ちゃんのわきの下あたりに添えるようにしてあげましょう。
一番重要なポイントは、「赤ちゃんの顔が、ママの胸に対して正面を向いていること」です。
胸に対して、上や横に向かないように抱え方を調整しましょう。
正しい向きで吸わせないと、母乳の一部がしっかり吸えず、「うつ乳」となって乳腺炎に発展することもあります。
また、飲みづらくて必要以上に時間がかかってしまいます。
授乳クッションで寝かせてもいいか?
さて、授乳をしていると、そのまま赤ちゃんが寝てしまうことが頻繁にあります。
スヤスヤと気持ちよさそうに寝ている赤ちゃんを授乳クッションの上でそのまま寝かせておきたくなるところですが、残念ながら一般的なU字タイプの授乳クッションで寝かせておくことはできません。
ママに余裕があるときは、ママが赤ちゃんを抱っこしたまま寝かせておく方法もありますが、赤ちゃんが寝ている姿を見ていると不思議とママも眠たくなってきて力が抜けてしまうことがあるので、安全を第一に考えて授乳が済んだら速やかにベビーベッドに移動させましょう。
「寝る場所を変えると赤ちゃんが起きてしまって困る」というママであれば、そのまま寝かせられる形状の授乳クッションもあります。
様々な形状の授乳クッションについてはこちらのコラムをご覧ください。