赤ちゃんと人工栄養~生後10ヶ月のミルク量と回数~

生後10か月の赤ちゃんへの粉ミルクの飲ませ方について解説します。

この時期のミルクの量や回数、スケジュール、またミルクを飲まない理由などについても知ることができます。

生後10か月の粉ミルクの量【完ミ+離乳食の場合】

1日3回の離乳食と粉ミルクで栄養を摂取している生後10か月の赤ちゃんに与えるミルク量と回数は以下の通りです。

1.通常1回200mlで食後は飲めるだけの量が標準

生後10か月(体重8.2~9.1kg)の粉ミルク(*)の標準量はおおむね次の量です。

(*)新生児から使えるタイプでフォローアップミルクは除く

1日当たりの粉ミルクの量と回数(生後10ヶ月)
タイミング1回量回数
通常時200~220ml(スプーン10~11杯)3回
離乳食後80~200ml(スプーン4~10杯)2回

※スプーン1杯が2.6gの場合

標準量はメーカーごとに多少の違いがありますので、作る際には粉ミルクのパッケージをよく確認しましょう。

特にフォローアップミルクの場合は、カロリーが低いなど、新生児用のミルクとは栄養構成が異なりますので注意しましょう。

2.ミルクのスケジュール

生後10か月になったら、そろそろ規則正しい生活を心がけましょう。

授乳は1日5回が標準で、タイムスケジュールはおおむね以下のようになります。

7:30離乳食+ミルク(80ml~)
11:00離乳食+ミルク(80ml~)
15:00ミルク(200~220ml)
18:00離乳食+ミルク(80ml~)
21:00ミルク(200~220ml)

朝は必ず6~7時の決まった時間起きて、しっかり朝食を食べるようにします。

夕食後すぐに寝てしまう赤ちゃんだと、夜のミルクは22~24時頃になる場合もあるでしょう。

生後10か月の粉ミルクの量【混合栄養+離乳食の場合】

赤ちゃんを保育園に預けていたり、預ける予定で卒乳を開始している場合には、母乳に替えてミルクを日中に飲ませることになります。

その際の1回量は、生後10か月だと200ml前後が標準です。

食後も最大200mlの範囲で飲みたいだけ飲ませて構いませんが、離乳食がしっかり食べられていれば100mlも飲めば十分です。

また、母乳が足りない気がしてミルクを足すママもいることでしょう。

気になるようであればミルクを足しても構いませんが、これまで完全母乳で育てていたのであれば、基本的は不要です。

離乳食を食べる量が増えて、母乳を飲む回数や量が減っているのであれば、母乳が自然に減産されてしまっているのです。

今までと比べておっぱいの張りが少ないため足りないような気がするかもしれませんが、赤ちゃんが必要な量に調整されていると考えられます。

もし、ミルクを飲ませるのであれば、哺乳瓶ではなくコップやストローマグなどでフォローアップミルクを飲ませるとよいでしょう。

フォローアップミルクは母乳や食事から摂ることが難しい鉄分などの栄養素が強化されています。

生後10ヶ月の赤ちゃんがミルクを飲まない

1.最低限のミルクの量

離乳食が進み、生活に変化があると、急にミルクを飲む量が減ることもあります。

今まで飲んでいたのに急に飲まなくなると心配になりますよね?

生後10か月の赤ちゃんは、最低限どのくらいのミルクを飲めばいいのかを知るとママも安心できるでしょう。

まず、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年)」によれば、生後9~11か月の赤ちゃんが1日に摂取する必要があるエネルギー(kcal)の推定量は男の子で体重9.1kgであれば700kcal、女の子で体重8.4kgであれば650kcalとしています。(生後10か月の実際の体重は男の子は8.9kg前後、女の子は8.3kg前後です。)

このエネルギー量をミルクだけで摂取しようとすれば、男の子は約1050ml、女の子は約980ml飲む必要があります。

しかし、実際には離乳食からもエネルギーを摂取しているため、離乳食の量が増えるのに合わせて、このミルクの量から減らしていくことになります。

順調に離乳食が進んでいる生後10か月の赤ちゃんの場合は、6割程度のエネルギーを食事から摂取することができるようになっています。

もし離乳食で1日の6割の栄養が摂れていれば、1日に男の子は420ml、女の子は390mlを飲めば最低限のエネルギーは摂取できます。

これは、食後以外の2回の授乳だけで達する量となります。

そのため、まずは離乳食をしっかり食べてもらい、食後は多少でも飲んでくれれば十分であると言えます。

万が一、離乳食もあまり食べない、母乳やミルクもあまり飲まない状況が続いて体重が増えない場合には、小児科などで相談してみるとよいでしょう。

なお、生後10か月の赤ちゃんの体重増加量は1か月で180~200g程度が標準です。

2.お腹の風邪に注意

これまで飲んでいたミルクの量と比べて、急に飲む量が減ったり、飲まない場合には、体調に異変がないかよく観察しましょう。

10月頃から春にかけてはノロウィルスなどによる感染性胃腸炎が流行する時期で、保育園をはじめとした不特定多数の人がいる場所で過ごしていると感染してしまうことがよくあります。それ以外の季節も食中毒などで胃腸炎になることがあります。

胃腸炎になった時は、急に食べたり、飲んだりする量が減って、その後に発熱や下痢や嘔吐などの症状があらわれます。

体調に異変があれば早めに小児科を受診しましょう。

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