赤ちゃんと人工栄養~生後6ヶ月のミルク量と回数~

生後6か月の赤ちゃんへの粉ミルクの飲ませ方について解説します。

ミルクの量や間隔、離乳食への対応、飲まない原因などについて知ることができます。

生後6か月の粉ミルクの量【完ミ+離乳食の場合】

1日2回の離乳食と粉ミルクで子育てをしている場合、生後6か月の赤ちゃんに与えるミルク量ついて解説します。

1.ミルク200mlを3回と離乳食後に2回が標準

各メーカーの粉ミルクのパッケージには、月齢ごとに標準的なミルクの量が表示されています。

1日当たりの粉ミルクの量と回数(生後6ヶ月)
タイミング1回量回数
通常時200~220ml(スプーン9~10杯)3回
離乳食後80~160ml(スプーン4~8杯)2回

※スプーン1杯が2.6gの場合

粉ミルクは栄養素の基準値が国で定められているため本来、標準量は一緒なのですがメーカーごとに多少の違いがあります。

生後6か月の赤ちゃん場合、たとえば雪印「ぴゅあ」は1回220mlを1日3回に加えて離乳食の後にも追加で80mlを2回飲ませる、和光堂「はいはい」では、1回200~220mlを1日3回に加えて離乳食の後にも追加で140~160mlを2回飲ませるとしています。

これらの1日分の粉ミルクをエネルギー量に換算すると約544~650kcal(*)となります。

(*)100g当たり510kcalとして算出

2.必要エネルギー量(6~8か月)

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年)」によれば、生後6~8か月の赤ちゃんが1日に摂取する必要があるエネルギー(kcal)の推定量は男の子で650kcal、女の子で600kcalとしています。

これをミルクの量に換算すると、650kcalは約980ml、600kcalは約900mlとなります。

生後6か月の場合は1日2回の離乳食からもエネルギーを摂取できるため、このミルク量1日の上限値として、離乳食の進み具合に合わせて減らしていくことができます。

離乳食が順調に進んでいる赤ちゃんであれば、生後6か月の終わり頃には1日のうちの2割程度のエネルギーを食事から摂取することができるようになっています。

3.ミルクの間隔

生後6か月では1日5回の授乳が必要です。

赤ちゃんによって生活リズムが異なるため、ミルクを与える時間は一概には言えませんが、おおむね以下のようなタイムスケジュールになります。

6:00ミルク(200~220ml)
10:00離乳食+ミルク(80~160ml)
14:00ミルク(200~220ml)
18:00離乳食+ミルク(80~160ml)
22:00ミルク(200~220ml)

夜泣きをして夜中にもミルクを欲しがる赤ちゃんであれば、回数を1回増やして、1回ごとの量を少なめに調整するなどしても構いません。

ただし、夜中以外の授乳と離乳食で栄養は十分足りているため、本来、夜中のミルクは必要ありません。

4.赤ちゃんがミルクを飲まない理由

ミルク中心の栄養で育ってきていた赤ちゃんが生後6か月になってミルクの飲む量が減ることもあります。

ミルクの量は離乳食がはじまる生後5か月をピークに徐々に減っていくのが通常です。

離乳食が順調に進んでいるのであれば、ミルクを飲まないことがあっても、あまり心配する必要はありません。

生後6か月の赤ちゃんは寝返りが完成して、色々なものに強い興味を持ち始める時期です。

そのため遊びに夢中になってミルクのことを忘れる、気候が涼しくなって喉があまり乾かない、また生活環境の変化によっても量は変化します。

しっかりと毎月の体重測定して成長曲線の範囲で体重が少しずつでも増えていることが確認できれば問題ありません。

もし、発育について心配なことがあれば早めに小児科などで相談しましょう、

生後6か月の粉ミルクの量【混合栄養+離乳食の場合】

母乳、ミルク、離乳食の3つで育児をしている場合の粉ミルクの量については以下の4つのケースに分けて解説します。

・保育園に預けている
・卒乳を始めている
・夜中の授乳はパパ担当
・母乳後に泣いてミルクを足す

1.保育園に預けている場合

保育園では赤ちゃんの発育状況に合わせて、離乳食の内容やミルクの量を決めています。

そのため保育園に預けない休日に離乳食とミルクを与える場合には、保育園と同じ時間帯に同じ程度の量を与えれば大丈夫です。

普段から担任の保育士さんにミルクと離乳食の量を聞いておきましょう。

なお、1歳以降に卒乳を考えているママの場合は、夜の母乳については飲みたいだけ飲ませて問題ありません。

2.卒乳を始めた場合

生後7~9か月頃から保育園に預ける予定で、日中のおっぱいをミルクに切り替える場合、どの程度のミルクの量を飲ませればいいのでしょうか?

ベビー用の体重計があれば、授乳の前後で体重を計測して、1回の哺乳量を確認し、同じ量のミルクに切り替えるという方法があります。

母乳と粉ミルクはカロリーを始めとした栄養成分はほぼ同等だからです。

しかし、実際にはおっぱいよりも哺乳瓶のほうが飲みやすいため、母乳よりたくさんの量を飲みたがる赤ちゃんが多いでしょう。

その場合には1回180~220mlの間で欲しいだけ飲ませます。

また、離乳食後のミルクについては、80~160mlの範囲で欲しいだけ飲ませます。

3.夜中だけミルクの場合

日中は母乳で、夜泣きの時だけママに替わってパパが粉ミルクで対応している場合のミルクの量についてです。

生後6か月では夜中に1回、最大220mlを上限として赤ちゃんが飲みたいだけ与えます。

ただ、この頃になると、昼と夜の切り替えがしっかりできて、朝までぐっすり寝る赤ちゃんもいます。

夜泣きしたらすぐにミルクではなく、5~10分程度様子を見てもいいでしょう。

実は「お腹が空いた」という理由で泣いているのではなく、昼間に受けた刺激が影響して理由もなく夜泣きをしているだけの可能性もあるからです。

4.母乳不足でミルクを足す場合

完全母乳で赤ちゃんを育ててきたママが、生後6か月になって母乳不足を感じるようになったとしても、特にミルクを足す必要はありません。

これから必要な栄養の多くを母乳ではなく離乳食から摂取するようになっていくからです。

心配であれば体重を計測して順調に体重が増えているか確認しましょう。

生後6か月頃の標準的な赤ちゃんの1日の体重増加量は9~11gです。1か月では0.3kg前後に増えるだけです。

もし、病気やストレスなど何らかの理由で母乳の分泌量が減ってしまい、赤ちゃんの体重増加に影響が出ているということであれば、小児科や母乳外来などで相談しましょう。

スポンサーリンク
アドセンス
アドセンス

このコラムを「ツイート」「シェア」する