妊娠3週目の「母親の体」と「赤ちゃん」の様子について解説します。
ついに3週目にして、受精卵が子宮に着床し「妊娠」が成立します。
そして、赤ちゃんの起源となる「胎芽」が生まれ成長の第一歩がはじまります。
妊娠3週とは?
妊娠3週目とは「妊娠21日から27日」までの期間のことを指します。
日数:21~27日
出産までの日数:あと259~253日(※「出産予定日」から起算)
「妊娠3週」は、「受胎(妊娠の成立)」がおきる期間です。
受胎は7つの条件を全てクリアしてはじめて起きるものです。
2.卵子の卵管へ侵入
3.射精
4.精子の卵管への侵入
5.受精
6.受精卵の子宮への侵入
7.受精卵の子宮内膜への着床
1~6までは妊娠2週目まで起きており、7は妊娠2~3週で起きます。
母親の体の状態
妊娠3週は、着床後から胎盤が形成されはじめ、胎芽との間で栄養や血液の交換が行われるようになります。
受精卵が子宮へと到達すると5~10日程度で子宮内膜に着床します。
すでに子宮内膜は、黄体から分泌されるホルモンの影響で、受精卵が着床しやすい状態となっており、着床した受精卵に栄養を送るための血管が増えて、血流が多くなっています。
着床して受胎すると、受精卵の外側にある「絨毛」と呼ばれる突起によって子宮内膜が浸食され破壊されます。
破砕された部分には血液が流れ込み、赤ちゃんと母親との間で血液や栄養を交換するための空間、すなわち胎盤が形成されはじめるのです。
妊娠3週目にして、ついてに赤ちゃんと母親が子宮の中で結びついたのです。
そして、母親から栄養をもらいながら、これから9か月をかけて赤ちゃんは成長していくのです。
ところで、多くの場合は、この頃に「妊娠した」という自覚症状はありません。
しかし、人によっては熱や吐き気といったつわりのような症状が顕れることもあります。
なお、排卵や受精卵の着床のタイミングには個人差があるため、妊娠3週目で妊娠検査薬を使えば必ず陽性反応が出るとは言い切れません。
赤ちゃんの状態
妊娠3週目は、細胞分裂を繰り返した受精卵が着床することで赤ちゃんの素となる胎芽ができる。
子宮内膜に到達した受精卵は、細胞分裂を繰り返し、分裂したたくさんの細胞が集まることで、胎芽を形成していきます。
胎芽は、「胎児」のもとであり、妊娠8週までの胎児を「胎芽」と呼びます。
妊娠3週目の終わり頃には、胎芽の大きさは約1mm程度になるのです。
非常に小さいので、まだ超音波診断装置などを使って母親が胎芽を確認することは出来ませんが、すでに脊髄や脳のほか、全身のあらゆる器官のもととなる組織は存在しています。
また、胎芽以外にも細胞が集まって、赤ちゃんの腸の素となる卵黄嚢(らんおうのう)や赤ちゃんを包む羊膜も形成されます。
ママがやるべきこと―お酒をやめよう―
アルコールは赤ちゃんの発育に悪影響
妊娠したら、もしくは妊活中に止めるべきことと言えば、「たばこ」「お酒」「薬」の3つです。
今週は「お酒」について解説します。
妊娠中に相当量のアルコールを飲むと、流産のリスクを高め、低体重児になる可能性があります。
さらに深刻な場合は、中枢神経の障害や顔面の形成不全などの障害が顕れる「胎児性アルコール症候群」になる可能性もあります。
付き合い程度の少量であれば問題ないと思うかもしれません。
しかし、どの程度に抑えればこれらのリスクが生じないかという基準は確立されていませんので、基本的に「禁酒」にすることが最も確実です