親を悩ませる3歳の反抗期【実例レポート】

3歳前後の反抗期の原因や対応について解説します。

まずは、かわいく編集部スタッフが実際に育てている反抗期の子供の様子を記録した実体験レポートからご紹介します。

3歳の反抗期とはどんな様子か?(実例レポート)

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娘は3歳を過ぎて反抗期の真っ只中です。

いわゆる第一次反抗期を迎えた娘の様子を紹介したいと思います。

1.イヤイヤ期は1歳半から始まっていた

娘は1歳6か月頃からイヤイヤ期が始まっていました。

自宅での歯磨き、手洗い、着替えなど基本的な生活習慣に関わる行為については、なんでも「ないない!」といって拒否していました。

通っている保育所の生活では良い子であるため、食事前後の手洗いやおもちゃの片づけなども、その年齢なりにしっかりとできていました。

しかし、親は先生よりも甘えられる存在であるためか、自宅ではやりたくないことに対しては泣いてでも拒否するようになっていました。

2.2歳半頃から反抗期に

2歳半になると弟が産まれました。

それに前後して、それまでのイヤイヤ期とは違うステージに入ってきたと感じることが多くなってきました。

イヤイヤ期では、「やりたくないこと」や「自分でやりたいこと」について親が手を出すと「ないない」「いやなのー」といって拒否する程度だったのですが、この頃は「やだ、やめて!」という反射的感情に加えて、「なんで私の気持ちをわかってくれないのか」と言わんばかりの「怒り」に近い感情に変ってきたのです。

例えば、お片づけや手洗いをするといった家の「規則(ルール)」を守るように促そうとすると、パパ・ママの顔を睨みつけながら「イヤだ!やりたくないの!」としっかりとした口調で主張するようになったのです。

さらに、拒否の仕方も多様化して床に突っ伏して動こうとしなかったり、鼻歌を歌って聴こえてないふりをするなどの反抗的な態度をとるようになったのです。

ひとつには、弟が誕生したことで、親の愛情が分散してしまうという「喪失感」を味わっていることが原因だと考えられます。

また、成長に伴って、複雑な気持ちを相手に伝えるための言葉や態度といった表現方法が多様になってきたことや、親も無意識に社会のルールを守らせようとする言動がより増えてしまったことがなどが原因と考えられます。

3.3歳頃からはより攻撃的に

3歳を過ぎた今では、娘の反抗的な態度がさらにエスカレートしてきました。

例えば、食欲がなくなって、食事中に食べ物で遊び始めると、親から「遊ばないで、頑張って食べるように」と注意されるのえすが、その時に「おなかいたいのー」と嘘をついて要求を拒んだり、「これ、おいしくない!」と言って自分の行動を正当化するようになりました。

知恵がついて反抗の方法が多様化してきているのです。

また、自分の心の中だけでは処理しきれない怒りの感情が爆発して、より周りに対して攻撃的な態度をとることが頻繁にみられます。

例えば、自分が遊んでいたおもちゃが弟に取られてしまい、親から「貸してあげてね」と言われると「キャー」と奇声をあげるようになり、奇声に対して「うるさいからやめて」と話すと、さらに大きな奇声をあげるといった具合です。

そのため、親から「うるさい」とよく叱られるために、その言葉自体を覚えてしまい、「あれして、これして」と親から言われると、「うるさい!」と言い返してくるのです。

また、遊びで一緒に歌を歌おうとすると「歌わない!」と言って、楽しい遊びの中での親の行動に対しても、自分の思い通りの行動をさせようとする態度が見られるようになっています。

さらに、相手を自分の思い通りにさせたいという気持ちがどんどん強くなっているのか、とうとう「叩く」行動が見られるようになりました。

現状では友達を叩くという行動は見られないものの、悪いことした時に謝るように親から促されると親を「叩く」ことで、従いたくないという意思表示をするようになっています。

3歳の反抗期とは何か?

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1.反抗期が始まる原因

2~3歳頃に見られる反抗的な態度は「第一次反抗期」とよばれ、いわゆるイヤイヤ期もこの「第一次反抗期」に含まれます。

レポートの実例にもあったように、言葉や体が成長するにつれて反抗的な態度そのものが変化していきます。

第一次反抗期は「自我」の発達によって「自分でやりたい」「自分でできる」という意志が芽生えることが原因です。

親の手を借りずに自分でやろうとすることが、親から見ると反抗的な態度に見えるのです。

しかし、その想いとは裏腹に身体的な発達が追い付いておらず、上手くできずに癇癪(かんしゃく)を起すようになります。

3歳頃になると、身体の発達によってボタンをしめる、手を洗うなどの生活習慣で必要なことがある程度できるようになり癇癪を起すことが少なくなってきます。

その一方で、物事の善悪が分かり、身の回りのこともそれなりにできるようになった子供に対して、周囲の大人が社会のルールを守らせようとする抑圧が自然と強くなってきます。

3歳の子供は身体機能の成長に伴って「自分は何でもできる」という自信やプライドが芽生えているにも関わらず、親を始めとした周囲からの抑圧によって自尊心が傷つく体験をするようになります。

たとえば、友達と遊んでいる時に友達を泣かせてしまったことに対して「ごめんなさい」と言うように大人から促された時などは、本人なりの理由があってとった行動であるのに一方的に「悪いことをした」という評価が下されて自尊心が傷つくことがあります。

言葉が発達した3歳の場合、こうした時に「わたし、悪くないもん」と大人に対して口ごたえできるために反抗的であると受け止められてしまうのです。

2.反抗期の子供への接し方

では、第一次反抗期における親の適切な対処法とはどのようなものでしょうか?

まずは、第一次反抗期は成長の一過程で誰もが通る道であり、他者ではない「自分」という人格を形成するうえで重要な発達段階であると理解しましょう。

つまり、反抗的な態度は、特定の子供だけに起きる問題行動ではないので、過剰に子供の心配をする必要はありません。

反抗期における対応について、育児書や発達心理学の本などでは、子供の自尊心を傷つけないよう、本人が実現したいことを忍耐強く手助けをすることが書かれています。

具体的には、子供が社会のルールに反する態度をした場合は、子供の気持ちを受けとめた上で、どうしたらよかったのか一緒に考えるように促し、次にできたら「よくできたね」としっかりと褒めて自信をつけさせるようにします。

しかし、現実は理想通りにはいきません。

仕事や家事に追われて息をつく暇さえない環境に身を置いている親がほとんどです。

親も人間であり、完璧な理性を備えた人格者であるはずがありません。

一時の怒りの感情によって冷静さを失い、高圧的な態度で子供をコントロールしようとすることは往々にしてあります。(しかし、逆効果になることが多く、かえって子供の態度は頑なになるでしょう。)

保育士のようにプロの仕事をするというプライドによって冷静さを保つこともできません。

さらに、こうした理想的な対応が分かっている勉強熱心な親ほど、その通りにできないことで自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。

親が冷静さを失うほどに感情が高ぶってしまうことは、愛情の裏返しでもあります。

親子であればこそ、溢れ出る感情をぶつけてしまうものなのです。

もし怒りに任せて子供を傷つけるようなことを言ってしまった場合でも、日頃から抱きしめたり、様々な場面で褒めるなどして愛情を注いでいるのであれば、子供の自己肯定感は着実に育ってゆくものと考えられます。

子供にとって親は一番の居場所であるということだけは決して忘れないでください。

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