目次
歯が生え始め、離乳食が始まると、いよいよ「歯磨き」も開始です。
「歯磨きはいつから始めればいいの?」
「歯磨き粉は使った方がいいの?」
「商品によってフッ素濃度が違うって本当?」
など、意外と知らない赤ちゃんの「歯磨き」について解説します。
そもそも虫歯はなぜできる?
赤ちゃんや子供に歯磨きをさせる理由は、何といっても「虫歯予防」のためですよね?
一度、虫歯ができると二度と元の歯に戻すことはできません。
「子供たちの美しい白い歯を守りたい!」と親であれば誰もが考えることです。
そもそも虫歯は、虫歯菌が原因できるのです。
虫歯菌は、口の中に残された食べ物の糖分を使って「酸」を作り出します。
この「酸」が、歯を守っているエナメル質を攻撃して溶かしてしまうことで虫歯ができるのです。
歯磨きは食べかすを取り除き、虫歯の原因となる「酸」の生産を抑制してくれるのです。
赤ちゃんはいつから歯磨き粉を使えばいいか?
虫歯の原因がわかったところで、歯磨きのやり方について紹介します。
1.5~6カ月頃はガーゼやゴムで歯磨
5~6カ月頃から、歯が生えてきます。
はじめは下の歯が2本、続いて上の歯が2本生えます。
下の歯は、常に唾液に浸っているため、唾液が虫歯の原因となる「酸」を中和して、再石灰化を促してくれます。
そのため上の歯に比べると虫歯になりにくいとされています。
とはいえ、赤ちゃんの歯は柔らかくエナメル質も薄いため油断大敵です。
ミルク(母乳)や離乳食が終わったら、さっとガーゼで歯を拭いてあげましょう。
また、歯ブラシに慣れるために、噛むだけで歯磨きができるシリコン製(ゴム製)の歯ブラシも併用するとよいでしょう。
カミカミ歯ブラシ
2.9~10カ月頃は「歯ブラシ」で歯磨き
9~10カ月頃になると、3~4本目の上の歯が生え始めます。
歯間も増えるので、歯ブラシで磨いてあげることが必要になります。
歯と歯の間と、歯茎の隙間を歯ブラシで丁寧に磨いてあげましょう。
3.1歳頃は「歯磨き粉」で歯磨き
1歳頃になると下の歯も4本まで増えます。
歯が増えて虫歯のリスクも高まるため、そろそろ歯磨き粉を使って歯磨きをしましょう。
この時期だと、まだうがいをすることができない子供が多いと思いますので、ブラッシングした後はガーゼなどで軽く拭き取りましょう。
4.1歳半頃からは「フロス」も使う
1歳半頃になると、歯の数は上下共に6~8本に増えます。
そして、少し硬い幼児食も食べられるようになるため、歯の間に食べ物が挟まることもよくあります。
歯ブラシでは取りきれない食べ物残渣は、フロス(糸ようじ)を使って取り除くようにしましょう。
毎回はたいへんでしょうから、夕食後の仕上げ磨きの際に使うとよいでしょう。
歯磨きは何回すればいい?
理想は授乳後も歯磨き
「母乳は粉ミルクと違って糖が含まれていないから虫歯にはならない」と思っている人が時々います。
これは、間違いです。
母乳にも「乳糖」という糖分が含まれています。
母乳でも口の中に残っていたら、虫歯の原因になるのです。
そのため歯が生えてきたら、授乳後も歯磨き(ガーゼ拭き)をしてあげましょう。
食事の後もおやつの後も歯磨き
離乳食が完了期に近づくと、1日に食事3回、おやつ1回にもなります。
当然、食べたら毎回、歯磨きすることが基本です。
ですが子供は本当に歯磨きを嫌がります。
歯磨きが大変すぎて、とても4回は無理と思うママ・パパも多いことでしょう。
しかし、毎日歯を磨かないと歯垢(プラーク)がたまり手磨きでは落ちにくくなるので、その結果、虫歯もできやすくなります。
就寝中は唾液が少なくなるので、どんなに大変でも夕食後だけは必ず歯磨きをしたいものです。
年齢にあったフッ素濃度の歯磨き粉を使おう
フッ素(フッ化物)は、カルシウムの吸収を促進するため歯が丈夫になり、虫歯に対する抵抗力が高まります。
そのため、歯磨き粉を使うのであれば、フッ素配合の商品を選ぶとよいでしょう。
子供用の歯磨き粉でも、フッ素が配合されている商品はたくさんあります。
ただし、フッ素の配合量は商品によって異なるので注意が必要です。
年齢ごとに、推奨されるフッ素濃度が異なるため、下記の表を参考に歯磨き粉を選びましょう。
年齢 | フッ素濃度 | 使用料 |
6カ月~2歳 | 500ppm | ごく少量 |
3~5歳 | 500ppm | 5mm以下 |
6~14歳 | 1000ppm | 1cm |
15歳 | 1000ppm | 2cm |
乳幼児用の歯磨き粉を製造しているメジャーなメーカーの商品だと、ピジョンの「ぷちキッズ」、ライオンの「こどもハミガキ」、サンスターの「ドゥークリアこどもハミガキ」は「500ppm」配合されています。
また、赤ちゃん本舗などのベビー用品専門店ではフッ素スプレーである「レノビーゴ」がよく置かれていますが、こちらは「100ppm」と少なめです。
ただし、歯磨き粉と違って飲み込んでも構わないので、うがいが上手にできない赤ちゃんにも安心して使えます。
1歳頃まではレノビーゴを使い、うがいができるようになったら「ぷちキッズ」などの歯磨き粉を使用するとよいでしょう。
ちなみに、歯医者さんのクリーニングで付けてもらえるフッ素濃度はなんと9000ppmです。
市販の歯磨き粉にはないレベルなので、定期的に歯医者さんに行くことが大切です。