目次
小さな子供と長時間の移動をするときに心配なのが「乗り物酔い」。
「乗り物酔い」の対策について紹介します。
乗り物酔いのメカニズム
1.「乗り物酔い」の正式名称と症状
一般的に「乗り物酔い」と呼ばれる症状は、「動揺病」という病名がついています。
「動揺病」の主な症状は、吐き気、顔面蒼白、発汗、生つば、嘔吐などです。
「動揺病」が発症する原因については、はっきりとしたことはわかっていませんが、体が感じている感覚と目から入ってくる情報とのズレ(矛盾)によって中枢神経が影響を受け嘔吐などの症状を引き起こすと考えられています。
例えば、歩くときは、歩く動作に合せて目で見る景色も移って行きますが、乗り物の場合は、体を能動的に動かしていないのに、大きな揺れを感じたり、見ている景色が次々に変っていくため、「動揺病」を発症することがあるのです。
2.どんな乗り物で酔うのか?
「動揺病」は乗り物など様々なもので発症する可能性があります。
主なものを紹介します。
3.乗り物酔いになる年齢はいつから?
子供は乗り物酔いになりやすく、大人になるにつれて「慣れ」によって次第に症状がでなくなります。
中でも2~12歳までが乗り物酔いになりやすい年齢と言われています。
しかし、乗り物酔いになりやすいかは個人差が非常に大きく、例えば、大人になって車酔いにならなくなっても、乗り慣れていない船や飛行機では酔ってしまう人も多くいます。
また、2歳未満であっても乗り物酔いになることはあります。
乗り物酔い対策
それでは、できるだけ乗り物酔いにならないようにするための対策を紹介します。
1.換気をする
特に車の場合、ガソリンの臭いで吐き気が悪化することも多いため、窓を開けて換気をするようにしましょう。
風を感じることでも、体調が改善することがあります。
2.絵本やスマホを見せない
目を近距離の一点に集中させてしまうと乗り物による揺れとの感覚のズレが大きくなるため、乗り物酔いになりやすくなります。
乗車中は、本やスマホ、携帯ゲーム等は控えましょう。
3.満腹にも空腹にもしない
満腹も空腹も乗り物酔いを誘発しやすくなります。
おにぎりやサンドイッチなどで軽く食べて、少し時間を置いてから乗り物に乗りましょう。
4.寝てもらう
睡眠不足も乗り物酔いの誘発要因になります。
加えて寝ている間は乗り物酔いにならないため、寝てもらうこと自体が車酔いの対処法になります。
とはいえ、子供は大人の言うとおりに寝るということはないため、たくさん遊んで眠りに落ちやすい状況にしておくといいかもしれません。
5.下車する
自分の体調について言葉で伝えられる年齢になっているのであれば、車酔いになった場合には、すぐに親に伝えてもらうようにしましょう。
そして、車酔いになったら、一旦、車を止めて体調が回復するまで休憩をしましょう。
また、赤ちゃんなど話すことができない年齢の場合は、眠ってもいないのに急に静かになる、顔色が悪くなるなどの様子があれば乗り物酔いを疑いましょう。
そして、食事用のエプロンをかけて、ウェットティッシュを用意するなどして、嘔吐に備えましょう。
6.酔い止め薬を飲む
過去に乗り物酔いになったことがある子供であれば、繰り返す可能性があります。
そのため酔いやすい乗り物に乗る際には、酔い止め薬を飲んでおくと安心です。
ただし、酔い止め薬を飲めば100%乗り物酔いが防げるわけではないため、エチケット袋などの準備も怠らないようにしましょう。
子供用の酔い止め薬は5歳から服用できるものが一般的です。
一部の薬で3歳から服用できるものもありますので、ドラッグストアなどで薬剤師さんと相談して購入しましょう。
<参考出典>
家庭医学大辞典
メルクマニュアル