赤ちゃんと人工栄養~生後3ヶ月に飲ませるミルクの量と間隔~

生後3か月の赤ちゃんに粉ミルクを飲ませるときの量と間隔について解説します。

完ミの赤ちゃん、混合栄養の赤ちゃん、それぞれについて基本的な考え方がわかります。

生後3か月の粉ミルクの量【完ミの場合】

人工栄養だけで育てている場合、生後3か月の赤ちゃんに与えるミルクの標準量は以下の通りです。

1日の粉ミルクの量(3ヶ月)
1回量 授乳回数
200ml(スプーン10杯分) 5回

※スプーン1杯が2.6gの場合

粉ミルクは栄養素の基準値が国で定められているため、基本的にはどのメーカーの粉ミルクであっても標準量は一緒です。

では、なぜこの分量になるのかを解説していきます。

1.必要エネルギー量(0~5か月)

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年)」によれば、生後0~5か月の赤ちゃんが1日に摂取する必要があるエネルギー(kcal)の推定量は男の子で550kcal、女の子で500kcalとしています。

2.生後3か月で最低限の量とは?

「食事摂取基準」で示されているエネルギー量は、男の子が体重6.3kg、女の子が体重5.9kgの赤ちゃんを基準に算定されたものです。

実際には生後3か月の赤ちゃんの標準的な体重は、男の子が約6.6kg、女の子が約6.2kgなので、1日に必要なエネルギー量はもう少し多いであろうと推測されます。

最低限のエネルギー量を摂取するために目安となるミルクの量は以下の通りです。

1日の最低量(月齢3ヶ月)
性別 最低カロリー/日 ミルク量(1回) 授乳回数
男の子 600kcal 140~160ml
(スプーン7~8杯分)
140mlを3回、160mlを3回
6回
女の子 550kcal 140ml
(スプーン7杯分)
6回

※スプーン1杯が2.6gの場合

3.ミルク200mlを1日5回が標準

粉ミルクのパッケージには、ミルクの標準量が月齢ごとに表示されています。

たとえば和光堂「はいはい」、雪印「ぴゅあ」では生後3か月赤ちゃんには1回200mlを1日5回飲ませるのが標準であるとしています。

この1日の総量をエネルギー量に換算すると約663kcal(*)となります。

「食事摂取基準」において、生後6か月以降で体重8.4kgの男の子の場合は650kcalが推定エネルギー量であるとしているため、パッケージに記載されている量は、この時期の標準的な体格の赤ちゃんとしては多めの量であることがわかります。

そのため、もし赤ちゃんがミルクをもっと欲しがっても、標準量以上に粉ミルクを飲ませる必要は基本的ありません。

(*)100g当たり510kcalとして算出

4.ミルクを飲む時の間隔

粉ミルクのパッケージでは1日5回を標準としていますが、1回の量を減らすのであれば1日に6~7回飲ませても問題ありません。

授乳回数 1回量
5回 200ml(スプーン10杯分)
6回 160ml(スプーン8杯分)
7回 140ml(スプーン7杯分)

飲ませる時間間隔についてですが、生後3か月のこの時期は、赤ちゃんの生活リズムに個人差が大きいため一概には言えません。

なお、参考として授乳スケジュールを紹介します。(あくまで1つのモデルです。)

授乳回数 授乳時間
5回 2:00・7:00・11:00・15:00・20:00
6回 2:00・6:00・10:00・14:00・18:00・22:00
7回 1:00・5:00・8:00・12:00・15:00・19:00・22:00

1日5回だけの授乳で済ませるためには、夜に長時間眠り続けてもらう必要があることがわかります。

しかし、生後3か月では少なくとも夜中と明け方に泣いてしまう赤ちゃんが多いでしょうから1回量を160ml程度にして6~7回飲ませるママが多いのではないでしょうか。

生後3か月の粉ミルクの量【混合栄養の場合】

混合栄養で育てている理由は主に3つ考えられます。

・ママが働いている
・授乳はパパと分担している
・母乳が足りないと泣く

それぞれのケースでどのようにミルクの量を設定すればいいのか見ていきましょう。

なお、大前提として、混合栄養の場合に必要な粉ミルクの量は、赤ちゃんが飲んでいる母乳の量で大きく左右されてしまうため一概に言うことができません。

1.ママが働いている場合

ママが平日に働いていて赤ちゃんを保育園に預けている場合は、土日の休日にミルクを飲ませる必要があります。

この場合に、飲ませるミルクの量と時間は保育園に合わせるようにします。

担任の保育士さんにミルクの量と時間を聞いて自宅でも実践します。

赤ちゃんの生活リズムも変わらないので、ストレスになりません。

2.パパと分担している場合

基本的にはママが母乳で授乳をしていて、夜中の授乳だけはパパに分担してもらっているという家庭も多くあるでしょう。

この場合には1日の授乳回数から目安となる量を決定するのが簡単です。

ミルクと母乳あわせて1日7回以上授乳しているのであれば140ml、1日6回なら160ml、1日5回なら200mlを目安とします。

あとは赤ちゃんの様子に合わせて増減させます。

生後3か月の赤ちゃんの場合、1回140mlでは少ないと泣くかもしれません。

1日1、2度ミルクを飲ませる程度であれば、多少多くても問題ありませんので、1回160mlに増やしても構わないでしょう。

ただし、たくさんミルクを飲ませすぎて満腹になってしまい、結果的に母乳を吸う間隔が長く空いてしまうと、おっぱいが張って、母乳が減産する原因にもなるので気を付けましょう。

3.母乳の後にミルクを足す場合

基本的には完全母乳で育児をしているママでも、授乳後に赤ちゃんが泣いてしまいミルクを足すケースもあるでしょう。

本来、母乳の量は、母乳でいっぱいになって乳房が張っていると減産し、反対に母乳が空になると増産する仕組みになっているため、赤ちゃんの成長につれて飲む量が増えれば自然に母乳も増産されます。

そのため順調に体重が増えている赤ちゃんであれば、ミルクを足す必要はありません。

本当は母乳が足りなくて泣いているのではないかもしれません。

体格の大きな赤ちゃんは暑がりなので、母乳を飲んで体が暑くなり不快なのかもしれません。

また、生後3か月であれば「たそがれ泣き」など理由もなく泣くこともよくあります。

母乳の後に泣いたからと言ってすぐにミルクをあげるのではなく、服を1枚脱がせて涼しくしたり、5~10分ほどベッドに寝かせて置くなどして様子を見ましょう。

たいていの場合、自然に泣き止みます。

一方で、完全母乳を目指しているものの、赤ちゃんの発育が思わしくない場合には、助産師や小児科医に授乳方法やミルクの量などについて相談しましょう。