新生児のうんちの特徴について解説します。
なぜ、赤ちゃんのうんちは「水っぽい」のでしょうか?
また、下痢とはどんな違いがあるのでしょうか。
新生児のうんちの特徴
下痢かどうかを知るために、まずは赤ちゃんのうんちの特徴を知っておきましょう。
1.水っぽい
新生児・乳児の便は、基本的に水っぽい状態で排出されます。
その理由は、赤ちゃんの消化器官が未熟であることと、水分を吸収する大腸の働きを抑制してしまう「乳糖」が母乳に含まれているからです。
2.母乳と粉ミルクによる便の違い
最近の粉ミルクは、母乳の成分と非常に近くなっているため、基本的に便の色や状態に大きな差がなく見分けることはとても難しいです。
以前は、母乳で育てている赤ちゃんのうんちは、ミルクで育っている赤ちゃんのうんちと比べると、より水っぽくて色が薄いと言われていました。
また、臭いについては、母乳で育っている赤ちゃんのうんちの方が酸っぱくて強いにおいであると言われていました。
3.緑色のうんちが出る
新生児のうんちには緑色の便が混じることがあります。
これは肝臓の分泌物である胆汁に含まれている「ビリルビン」が酸化した色です。
うんちには、必ず「ビリルビン」が含まれていて、腸内の状態により、うんちの色が変化します。
新生児や乳児の便が緑になるのは、ミルクと一緒に飲み込んだ空気が腸に入り込み、「ビリルビン」を酸化させてしまうことがあるためです。
便秘で、腸内にうんちが長く滞留している場合にも、便が緑色になることがあります。
4.白いツブツブが混じる
白いツブツブは、腸で消化しきれなかったタンパク質や脂質のかたまりです。
離乳食が始まるまでは、よく見られます。
普通便と下痢の見分け方
新生児は、そもそも水っぽいうんちをするため、下痢と見分けがつかないことがあります。
そのため、普段の便と比較することで、下痢を判断します。
<下痢を見分ける2つのチェックポイント>
1.いつもより回数が多い
2.いつもより明らかに色が薄く、水そのものである
例えば、普段1日1~2回のうんちをする赤ちゃんが、急に10回もするようになった場合には下痢が疑われます。
ただし、新生児は、腸の機能が十分でないため、1日10回以上うんちをすることもあります。
気温の変化など、生活上の刺激でも便の回数が多くなることがあります。
一方、便がほとんど水に近い状態であれば、下痢と考えて間違いありません。
下痢の時のホームケア
下痢の症状が出た場合には、まずは医療機関を受診して、症状に合った自宅でのケアについて医師から指導を受けるようにしましょう。
以下では、代表的なホームケアについて紹介します。
1.脱水に注意
下痢の時は、脱水症状に注意しましょう。
母乳、ミルクはいつも通り飲ませ、もし、飲む量が少なければ、回数を増やします。
赤ちゃん用のイオン飲料を飲ませても構いません。
2.おむつかぶれに注意
下痢は、普通便よりも強い酸性であるため、おむつかぶれになりやすいです。
下痢のたびに、おむつを交換しましょう。
拭き残しがあると赤くただれるため肛門の周辺を丁寧に拭きましょう。
また、感染性胃腸炎が原因による下痢であれば、2次感染の危険があります。
ゴム手袋をしてオムツを交換し、交換後には入念に手洗いをしましょう。
また、下痢が付着した布は処分するか、ウィルスと菌を殺傷するスプレーを使って洗浄しましょう。
(参考書籍)
医学書院「新看護学・母子看護」
金原出版「小児看護学」
小学館「家庭の医学大辞典」
学研「赤ちゃんの病気全百科」
ベネッセ「赤ちゃんの病気新百科」
メルクマニュアル医学百科