煙草は赤ちゃんにとって良くないものとわかっていても、ニコチン依存症によりなかなか止められないというママ・パパがいます。
禁煙するためにも、まずは煙草がどれだけ赤ちゃんにとって有害な物質であるのか知ることから始めましょう。
煙草による悪影響一覧
まずは、煙草が赤ちゃんにとっていかに有害であるか理解をしましょう。
1.妊娠中の煙草が胎児に及ぼす悪影響
2.妊娠中の煙草が胎児に及ぼす悪影響
以上のように、煙草は赤ちゃんにとって「害」以外の何物でもありません。
煙草による悪影響はなぜ起きる?
煙草が何故、このような害をもたらすのかメカニズムを簡単に説明します。
胎児に害を及ぼす煙草の成分は主に「ニコチン」と「一酸化炭素」です。
まず、ニコチンは血管を収縮させる作用があるため、妊娠中の母親の血液量を減少させてしまいます。
その結果、胎盤等を通じて胎児に届く血液の量(子宮胎盤循環血液量)も減少するため、母親の血液から十分な栄養と酸素が届かなくなるのです。
また、一酸化炭素は、血液中の「ヘモグロビン」と結びつきやすい物質であるため、本来ヘモグロビンと結びつくはずの「酸素」にとってかわってしまうのです。
その結果、胎児は低酸素状態になります。
これら煙草の作用によって胎児に必要な酸素と栄養が運ばれなくなり、体重の増加や各器官の発達に悪影響を及ぼしているのです。
さらに、授乳中の喫煙は、血液から母乳を生成する役割を果たすホルモンである「プロラクチン」の分泌を抑制する副作用があるため、母乳量が減少します。
受動喫煙の予防のため父親も禁煙すべき理由
では、母親が禁煙をすればいいのかと言えば、それだけでは不十分です。
妊婦や赤ちゃんと同居している全ての家族が禁煙をすべきです。
なぜなら、妊婦や赤ちゃんが喫煙をしていなくても受動喫煙による悪影響があるからです。
煙草の煙には、喫煙者の口から吐き出される「主流煙」と煙草が燃えることにより発生している「副流煙」があるのですが、「副流煙」に含まれる有害物質の濃度は「主流煙」と比較して数百倍にもなると言われています。
結果的に受動喫煙であっても妊婦や赤ちゃんの血中におけるニコチン濃度が増加してしまうのです。
いつから煙草をやめるべきか?
赤ちゃんにとってタバコは有害物資であることは明らかです。
もし妊娠をしているのであれば「今この瞬間」から禁煙をしましょう。
また、妊娠を考えているのであれば、「妊娠したら」タバコをやめるのではなく「妊娠を望んだ瞬間」から禁煙をすべきです。
理由としては、まず妊娠したと気づいた時には、すでに妊娠8週前後になっている可能性があるからです。
また、妊娠によりホルモンバランスが大きく変化し情緒不安定になることがあります。
すると、かえって妊娠中のほうが禁煙が進まないという状態に陥りかねないのです。
夫をはじめとした家族も同様です。
妊娠をきっかけに妻の様子が変わって、家庭でのストレスを感じるようになることは珍しくありません。
その結果、ますます煙草への依存が高くなる可能性もあります。
子供を望むのであれば、親としての自覚を持つためにも、すぐに禁煙しましょう。
もし、自分の力で禁煙できないのであれば、「禁煙外来」などを受診して専門医に相談しましょう。
ニコチン依存症と診断され一定の基準を満たせば禁煙治療は健康保険が適用されます。
<参考出典>
厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」
母性看護学各論
家庭の医学大辞典
母子手帳 副読本
はじめての妊娠・出産百科
初めての妊娠・出産