目次
実際に療育センターを訪れた際の様子についてレポートいたします。
療育センターとはどのような施設なのか、その一端を知ることができます。
【体験記】言葉の遅れがあるので療育センターに行ってみた
子供の言葉の発達が気になっているcawaiku編集部のスタッフが、実際に2歳の子供を連れて相談に行ってきました。
1.予約の電話をすると3か月待ちだった!
法律で義務となっている1歳6か月検診(※)で、言葉の発達について次のようなチェック項目がありました。
「ママ、パパ以外に意味のある言葉をいくつか話せるか?」
息子は喃語は多少出ていましたが、意味のある言葉は全くと言ってよいほど発していませんでした。
しかも、我が家は「おとうさん」「おかあさん」と呼びあっているので、ママ、パパさえも言えない状態だったのです。
また「一人歩き」もまだできない状態だったため、検診の際に保健師さんから臨床心理士と面談をすることをやんわりと促され、別室で面談を行ったのです。
そのあと、小児科で言葉が出ないことを相談すると「今のところは様子をみて、2歳になっても同じような様子であれば療育センターに行ったらどうか」と言われたのです。
そして、2歳が過ぎても相変わらず、意味のある言葉は数語だけ発する程度だったため、療育センターで診てもらうことにしました。
電話をすると予約でいっぱいのようで、診てもらえるのは3カ月以上も先でした。
しかし、その後キャンセルが出たのか、療育センターのほうから電話がかかってきて少し早い時期に診てもらうことになりました。
※母子保健法において、1歳6か月と3歳での乳幼児健診を実施することが市町村の義務となっています。
2.たくさんのおもちゃに囲まれて問診される
電話での予約から2か月以上がたってようやく受診の日がきました。
ほとんどしゃべれなかったのですが、この2か月の間に急に言葉がでてくるようになりました。
2語文などはもちろん話せませんが、「おとー(お父さん)」「おかー(お母さん)」「ボール」など、数えてみると20~30語くらいは発することができるようになっていました。
しかし、しっかりと発音できるものは少なく、例えば「いちご」なら「ご」と語尾しか言えないものが多いのです。
療育センターに入って受付を済ませると、まずは医師ではない病院のスタッフの女性からの聞き取りがありました。
センター内にある一室に通されたのですが、たくさんのおもちゃが棚に並んでいました。
息子は興奮して色々なおもちゃに手を伸ばしていました。
「好きなおもちゃを選んで遊んでていいよ」と言われて、大好きな車のおもちゃを手に取り動かして遊び始めました。
その間にパパとママがその女性スタッフさんから息子の普段の様子について細かく質問されて、私たちの回答をびっしりと記録用紙にメモをしていました。
30分くらい時間をかけて質問をされたあと、医師による診察になりました。
「なるほど1人の子供に対してこれだけの時間をかけて診るから、3か月待ちなどになってしまうのだな」と実感したのです。
3.基本的に2歳は「個人差」による遅れらしい
医師のいる診察室に入るとやはりおもちゃが置いてありました。
まず医師はおもちゃで遊ぶ息子の様子をじっと観察してメモをとっていました。
そして「パパのお膝に乗ってみて」、「(おもちゃの)上にあるボタン押せる?」などと子供に声をかけて反応を見ていました。
10分くらいそんな状況が続いた後、息子の現在の状態について見解を話してくれました。
結論から言うと、他の2歳と比べると確かに言葉の数は少ないが、病的な理由で遅れているというよりは、個人差によるものではないかという事でした。
もともと息子は言葉こそ発しないものの、大人が話すことは良くわかっていて、指示通りに動いてくれたり、気に入らないときは拒否したりという反応がありました。
今回、医師の声掛けに対してもしっかりと反応して行動ができていたので現状では問題ないとの診断でした。
ただし、3歳になってもあまり言葉が増えなければ、また来てくださいとのことでした。
療育センターはどんなところ?
1.子供の発達について相談ができる
療育センターは、幼児・学童の心身の発達について臨床心理士や言語聴覚士などの専門家に相談ができる施設で都道府県や政令市などが開設しています。
一部の療育センターでは小児科、精神科、耳鼻咽喉科、整形外科などの機能も有していて医学的な診察も行っています。
2.検査をしてもらえる
臨床心理士をはじめとした専門家により行動観察などを行って知能や身体の検査を行います。
医師が常駐している療育センターであれば医学的な診断も行ってくれます。
なお、療育センターの医師を受診する際には、かかりつけ医による紹介が必要な場合もあります。
3.子供の障害にあった発達の支援をしてくれる
検査の結果、子供に何らかの障害が見つかった場合には、子供の発達状況に合わせた個別的な指導をしてもらうことができます。
具体的には、言葉などでのコミュニケーションをとる方法や、日常的な動作を促す方法などを指導してくれるなど多種多様です。
療育センターでは支援計画を作って、長期的にサポートしてくれます。
子供の発達についてなにか気になることがあれば、一度、地域の療育センターに問い合わせしてみてはいかがでしょうか。