卒乳は赤ちゃんだけでなく、ママにも必要です。
大切な乳房を卒乳中からケアすることで、乳腺炎などのトラブルを回避しましょう。
卒乳中のケア
1.急に断乳しないことが重要
卒乳によるトラブルとして多いのが乳腺炎
母乳がたくさん分泌されている状態で急に断乳すると、母乳が貯まり過ぎて乳腺炎になることがあります。
そのため、卒乳する際には、思い立ったように突然断乳するのではなく、1か月程度かけて、母乳を飲ませる量を徐々に減らして卒乳に導きます。
飲ませる母乳の量を減らす方法としては、まず、1回の授乳時間20分から15分、10分と徐々に短くしていき、その後、1日あたりの授乳回数を少なくすることで、「授乳間隔」を広げていきます。
こうすることで、母乳の分泌量が少しずつ減っていき、過度におっぱいが張って痛くなることを予防してくれます。
そして、母乳の回数が1~2日に1回程度になったところで、3日以上母乳をあげない「断乳」を実施して卒乳させます。
より詳しい卒乳方法についてはこちらの記事もご覧ください。
2.おっぱいが痛かったら早めに受診を
とは言え、分泌量や乳管の太さなどには個人差があるため、どんなに気を付けていても乳房が張って痛くなることはあります。
母乳が痛くなったり、熱を持った場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
受診するまでの応急処置として少し搾乳をして圧抜きしたり、保冷材や塗れたタオルなどで冷やすと痛みが和らぎます。
医療機関を受診した際には、助産師さんに相談して、ママの体質・体調にあった卒乳方法を相談してみましょう。
卒乳後のケア
1.「圧抜き」をして搾乳し過ぎない
ようやく子供が卒乳したとしても、ママの卒乳はこれから本番です。
おっぱいを吸わなくなっても、母乳はしばらく出続けます。
おっぱいが張ると、すぐに搾乳したくなりますが、母乳の生産を促すプロラクチンは乳腺から排出された母乳の量に合わせて分泌されるため、頻繁に搾乳をするとかえって母乳の生産を促してしまうことになります。
そのため、1日に何度も搾乳するのではなく、1日に1回、2日に1回、3日に1回・・・というように、徐々に間隔をあけて搾乳するようにします。
搾乳する量もすべて絞り出すのではなく、おっぱいが楽になる程度に少量を出すようにします。
この時、おっぱいが部分的に固く張っているところがあれば、その部分を軽く圧迫しながら排乳することで、「しこり」にならないように予防します。
2.いつまで卒乳後ケアが必要か?
卒乳後のケアは「搾乳」の間隔が長くなって、ほとんど母乳が出なくなるまで続けます。
搾乳の間隔は、子供が卒乳した時の授乳間隔によって異なります。
1日に数回授乳していたのにも関わらず、何らかの事情で、突然、断乳したのであれば、母乳の分泌量が多いため1日に1回以上搾乳しても構いません。
一方、計画的に卒乳を行っており、卒乳時には授乳間隔が1日に1回になっていたのであれば、すでに母乳の分泌量は減ってきているため、卒乳後の搾乳は2~3日に1回行うようにします。
その後、「3日に1回」から「1週間に1回」、「2週間に1回」、「1か月に1回」と搾乳の間隔を広げていきます。
間隔が広がっていくほど、搾乳する量もどんどん減っていきます。
そして、搾乳できる母乳がほとんどなくなると、ママも卒乳となります。
なお、この時の母乳はサラサラとした状態ではなく、初乳のようにドロっと濃い状態になっています。
3.しこりを見つけたら
卒乳後ケアの際に「しこり」のようなものを見つけた場合の絞り方ですが、まず、搾乳前に痛くない程度にマッサージした後、固い部分を圧迫しながら搾乳します。
こうすることで、母乳が原因となっているしこりについてはある程度、取り除くことができます。
もし、「しこり」が取れないようであれば、乳腺炎などのトラブルにつながる可能性もあるので、一度、医療機関(産科、乳腺科、母乳外来など)を受診しましょう。