妊娠中に不足しがちな栄養素が補える食事【おすすめ10選】

妊娠をきっかけに食生活を見直す妊婦さんが多いことでしょう。

そこで、妊娠中における食生活の基本と摂取したい食べ物を紹介します。

妊娠中の食事の基本

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1.五大栄養素をバランスよく

五大栄養素とは、タンパク質、脂質、炭水化物(糖質)、無機質(鉄分・カルシウムなど)、ビタミンの5つです。

それぞれの栄養素が摂取できる代表的な食品は以下の通りです。

タンパク質 肉、魚、卵、乳製品、大豆製品、海藻など
脂質 肉、魚、卵、乳製品、油など
炭水化物(糖質) 穀類、イモ類、砂糖など
無機質 肉(特にレバー)、小魚、大豆製品、海藻、菜っ葉類など
ビタミン 肉、魚、野菜、果物など食品全般

具体的に「どの食品をどれだけ食べようか」と考え始めると頭が痛くなりますが、基本的に、様々な食品を毎日少しずつ食べるように心がければ自然とバランスのよい食事になります。

具体的な献立を考える際には、主食(穀類)と主菜(肉・魚・大豆料理)に加えて、副菜(煮物などの野菜料理)は必ず毎回食べ、1日に2回は果物と乳製品を食べるようにしましょう。(※厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」を参考に文章を構成)

2.妊娠中期から摂取カロリーを増やす

近年は「やせ型」の妊婦さんが増え、妊娠中も体重増加が少ないために低出生体重児で産まれてくる赤ちゃんの割合が増えています。

妊婦のエネルギー摂取基準は次のようになっているため、まずは食事の量を見直してみましょう。

時期 活動レベル1 活動レベル2 活動レベル3
妊娠前 1750kcal 2050kcal 2350kcal
妊娠初期 1800kcal 2100kcal 2400kcal
妊娠中期 2000kcal 2300kcal 2700kcal
妊娠後期 2250kcal 2550kcal 2850kcal

※上記は20代の場合です。30歳以上の場合は各欄全て50kcalマイナスしてください。

ほとんど座って生活している人は身体活動レベル1、通勤・買い物・スポーツなどの軽い運動をしている人は身体活動レベル2、立ち仕事や日常的に運動をしている人は身体活動レベル3になります。

普段、何キロカロリー食べているのか計算できる人は少ないと思いますので、妊娠前の食生活を基準に、食べる量を調整すると良いでしょう。

上の表の摂取カロリーは、標準体重(BMI20程度)になることを目指したカロリー摂取量になっています。

そのため、妊娠前の体重が

「やせ型(BMI:18.5未満)」であれば、妊娠初期から食べる量を増やす。
「平均型(BMI:18.5~25未満)」であれば、妊娠中期から食べる量を増やす。
「肥満型(BMI:25以上)」であれば、妊娠初期から医師の指導に基づいて食事制限をする。

ということになります。

ちなみに、茶碗1杯のご飯(約150g)は250kcalになります。また、豚のもも肉(100g)を焼いて食べると200kcalになります。

これを目安に食事の量を調整しましょう。

妊婦が不足しやすい栄養素とは?

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赤ちゃんが成長するためにバランスよく栄養素を摂取していく必要があるのですが、現代の食生活で不足しやすい栄養素がいくつかあります。

これら栄養素の中には、赤ちゃんの器官が形成される妊娠初期に摂取すべきものもあり、本来ならば妊娠を望んだ時点で食事を改善する必要があります。

それでも偏った栄養にならないように注意することは大切なので、以下に挙げる不足しやすい栄養素について意識的に摂取するようにしましょう。

妊娠中に不足しやすい栄養素 必要量(1日)
鉄分 20mg
カルシウム 650mg
葉酸 440μg

この3つの栄養素はいずれも赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素です。

鉄分とカルシウムは血液や筋肉、骨など体の主要な組織・器官を形成し、葉酸はこれら組織を作るための細胞分裂をサポートする栄養素なのです。

ちなみに、タンパク質が豊富な肉・魚・大豆は、鉄分とカルシウムが含まれており、鉄分が多く含まれる小松菜、ほうれん草などの野菜は葉酸も多く含んでいます。

つまり、それぞれの栄養素に関連性があるため、少し意識するだけでバランスのよい食事ができるようになります。

妊婦におすすめの食事(10選)

不足しがちな、鉄、カルシウム、葉酸を摂取するためのおすすめの食品を紹介しますが、良い食材だからと言って、同じものばかり食べるのでなく、毎食、色々な食材をバランスよく食べましょう。

1.豚レバー

(100g当たり)
カルシウム:5mg
鉄分:13mg
葉酸:810μg

鉄分が豊富に含まれる食材と言えば、やっぱりレバー。

苦手な人も多いと思いますが、甘辛な味付けの炒めものや竜田揚げにすると美味しく食べられます。

2.牛乳

(100g当たり)
カルシウム:110mg
鉄分:0mg
葉酸:5μg

牛乳に限らず、チーズやヨーグルトなどの乳製品はカルシウムがとても豊富です。

どの食品も気軽に摂取できるのが嬉しいですね。

そのまま飲んでもいいですが、魚や肉をクリーム煮にして食べても美味しいです。

3.ひじき

(100g当たり)
カルシウム:1000mg
鉄分:58mg
葉酸:93μg
※乾燥ひじき

妊娠中に不足しがちな栄養素の全てが豊富に含まれているスーパー野菜です。

とはいえ、水で戻すと量が数倍になるため、実際に1度に食べられる量は10~20g程度です。

どんなに栄養が豊富でも、過信せずに他の食材もしっかり食べましょう。

大豆との相性が良いため、水煮を使って煮物やサラダにするのが最適です。

4.納豆

(100g当たり)
カルシウム:90mg
鉄分:3.3mg
葉酸:120μg

大豆製品も様々な栄養素を効率よく摂れる食材です。

毎朝、「納豆ご飯」と言うママも多いのでは?

「朝はパン」という人も、トーストに納豆に乗せて食べても意外と合います。

5.木綿豆腐

(100g当たり)
カルシウム:86mg
鉄分:0.9mg
葉酸:12μg

つわりで食欲がないママは、のど越しの良い豆腐料理がお勧めです。

冬は鍋に、夏は冷奴にと、もちろんお味噌汁に入れても美味しいですよね。

どんな季節にも楽しめる豆腐をもっと活用しましょう。

6.ししゃも

(100g当たり)
カルシウム:380mg
鉄分:1.6mg
葉酸:20μg

カルシウムと言うと、すぐに乳製品を思い浮かべてしまいますが、大豆や小魚も食べましょう。

魚を摂取するメリットはカルシウムの他にもDHAが豊富に含まれていること。

ししゃもは100g当たり670mgもDHAが含まれていて、DHAの1日の摂取目安である1gの達成に役立ちます。

ししゃもはシンプルに焼いて食べるのが一番です。

7.ほうれん草

(100g当たり)
カルシウム:49mg
鉄分:2.0mg
葉酸:210μg

葉酸が非常に多く含まれる食材の代表です。

ただし、生のままでは100gも摂取することは不可能なので、加熱してお肉や他の野菜と一緒に食べましょう。

汁物やおひたし、中華風の炒めものもあいます。

8.小松菜

(100g当たり)
カルシウム:170mg
鉄分:2.8mg
葉酸:110μg

ほうれん草とよく似た食材ですが、カルシウムがより豊富に含まれています。

ジャコやしらす干しと言った小魚と一緒に和えものにして食べると、さらに効率よくカルシウムを摂取することができます。

9.ブロッコリー

(100g当たり)
カルシウム:38mg
鉄分:1.0mg
葉酸:210μg

葉酸と言うと「なっぱ」ばかりというイメージですが、ブロッコリーも豊富に含まれています。

サッと茹でてサラダとして食べるか、焼き物や炒めものなどの「いろどり」として食べましょう。

10.いちご

(100g当たり)
カルシウム:17mg
鉄分:0.3mg
葉酸:90μg

肉や野菜ばかり紹介しましたが、最後は果物です。

イチゴは葉酸が豊富に含まれている食材です。

季節は限定されてしまいますが、イチゴが流通する時期に妊娠初期を迎えた妊婦さんはラッキーですね。


<参考出典>
厚生労働省「妊産婦のための食生活指針」
文部科学省「食品成分データベース」
母性看護学各論
家庭の医学大辞典
はじめての妊娠・出産百科
初めての妊娠・出産