出産手当金をもらえる条件-「在籍者」と「退職者」別に解説!-

産休中の所得を保障してくれる「出産手当金」

是非、受給したいけれど、どんな条件があるのでしょうか?

会社に在籍している人と会社を退職した人の条件をそれぞれ解説します。

会社に在籍している人の条件

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会社に在籍したまま産休に入った女性が、出産手当金を受給するためには、次の3つの条件を全て満たしている必要があります。

1.健康保険組合または全国協会けんぽの「被保険者」である

まず、「被保険者」である必要があります。

つまり、夫に扶養されている妻(「被扶養者」)が出産しても手当はもらえません。

なぜなら、出産手当金は、働けない間の「所得保障」であるため、扶養されている人に所得を保障してあげる必要がないためです。

また、国民健康保険の被保険者も、もらえません。

国民健康保険には出産手当金の制度がないためです。

詳細については、こちらの記事をご覧ください。

残念ながら国民健康保険には「出産手当金」がありません。 その理由と「どうしても受け取りたい!」人のための受給方法を...

2.妊娠85日以上で出産した

妊娠85日を過ぎていれば、どのような出産であっても出産手当金が受け取れます。

早産はもちろん、死産、流産、人工妊娠中絶であっても、受け取れます。

3.産休中の給与が、ゼロまたは出産手当金より少ないこと

出産手当金は、出産にともなって、働くことができない期間の「所得保障」です。

ですので、働いているのであれば、原則として出産手当金は受け取れません。

ただし、産休中に働いて報酬をもらった場合でも、出産手当金よりも少額であれば、その差額が受け取れます。

最後に、もう一度、3つの条件をまとめます。

  • 健康保険組合または全国協会けんぽの「被保険者」である
  • 妊娠85日以上で出産した
  • 産休中の給与が、ゼロまたは出産手当金より少ないこと
  • これら全てを満たす人が「出産手当金」を受給できます。

    退職した人は、出産手当金はもらえるか?

    taisyoku

    出産にともない会社を退職する場合、出産手当金はもらえるのでしょうか?

    実は、受給できるかどうかは、「退職したタイミング」がポイントになります。

    退職後の給付については、健康保険法で次のように規定されています。

    健康保険法第104条

    (傷病手当金又は出産手当金の継続給付)

    被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き一年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者(第106条において「一年以上被保険者であった者」という。)であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。

    要するに、退職者が出産手当金を受け取るためには、以下の3つの条件を全て満たしている必要があります。

  • 退職前の最終日(被保険者としての最後の日)が、出産予定日以前42日に含まれていること(多胎の場合は、出産予定日以前98日)
  • 被保険者であった日で、かつ、出産予定日以前42日の中に「出社してない」日があること
  • 退職前の最終日までに、連続して1年以上保険組合(協会けんぽ)の被保険者であったこと
  • もし、退職前の最終日が42日に含まれていないとしたら、たとえ「任意継続」被保険者であったとしても、出産手当は受け取れません。

    また、出産手当金は、出産以前42日の働けないこと日ごとに支給されますので、少なくとも42日のうち1日は、「会社に在籍している状態で、出社していない日」が必要です。

    具体的な事例を紹介します。

    出産予定日が「12月11日」だったとします。

    この場合、出産以前42日の開始日は「10月31日」です。

    出産手当金をもらうには、会社の在籍を10月31日までとする必要があり、かつ最終日の31日を産休日として出社しないようにします。

    こうすれば11月以降の期間についても出産手当が受け取れます。

    出産を機に退職を考えているのであれば、これらの条件を踏まえて、退職日を決めましょう。

    こちらの出産手当金早見表で確認しましょう。

    ※2月29日の閏日は考慮していないので、閏年前後は注意してください。
    syusanteate

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