ハロウィーンのなぜ?―かぼちゃ・仮装・お菓子の由来と意味―

日本でも子供や若者に親しまれるようになったハロウィーン。

しかし、ハロウィーンには「仮装行列」や「ジャック・オー・ランタン」など不思議なものばかり。

いったいハロウィンとは何なのか、わかりやすく解説します。

ハロウィーンの子供向けQ&A

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子供「ねえねえ、幼稚園でハロウィンをするから『かそー』をしてきてって先生に言われたよ」

親「え!ハロウィン?そうなんだ・・・。」

子供「どんな『かそー』がいいと思う?」

親「うーん。・・・考えておくよ。(ハロウィンって、よく知らないなぁ。勉強しておかなきゃ!)」

そして、1週間後。

子供「明日、ハロウィンだよ!『かそー』どうしよー」

親「準備しておいたよ。ほら、これを着るとかわいい魔女になれるよ!」

子供「わーいやったー!ところでハロウィンて何?」

親「(やっぱり、きたか!)えっと、ハロウィンは、アイルランドという場所に住んでいた人達がやっていた昔のお祭りだよ。食べ物がたくさんできますようにって、みんなで美味しいものを食べて楽しむの。」

子供「そうなの!?それなら、なんで仮装をするの?」

親「ハロウィンでは、魔女とかお化けに仮装するでしょ?ハロウィンは、秋が終わって冬が始まる日のお祭りで、季節が変わる時にはオバケがたくさん出てくると考えられていたの。だから、そのオバケとか魔女とかこわーいものに仮装するの。お祭りだから仮装したほうが楽しいでしょ?」

子供「ふーん。あとね『かそー』するとお菓子がもらえるんだって!やったー」

親「そうだね。オバケに悪いことをされないように大人はお菓子をあげるんだよ。何て言うとお菓子がもらえるか知ってる?」

子供「えっとー、『とらっとりー!』」

親「トリック・オア・トリートね。お菓子をくれないといたずらしちゃうよーって意味なの」

子供「とりっかーとりー!」

親「そうそう上手!」

子供「とりっかーとりー!とりっかぁとりぃーーー!」

親「あー、えー?今日はハロウィンじゃないよー。こらっ!暴れるな!」

大人向けハロウィーン講座

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1.そもそもハロウィーンとは何か?

まず、ハロウィーン(ハロウィン)とはアイルランドに住むケルト人の民族文化が起源と考えられています。

ハロウィン研究の第一人者とされるリサ・モーリトンの著書「ハロウィーンの文化誌」によれば、ハロウィーンは「ケルト人のサンハイン祭とキリスト教の万聖説(オールセインツ・デー)および万霊説(オールソウルズ・デー)が結びついたものである」と結論づけています。

「サンハイン祭」とは、ケルト人の間で10月31日に行われていた秋の終わりを告げる収穫祭のことです。

収穫された作物や家畜を集めて、お酒と共に食べ、来年の豊作を祈るのです。

その後、ケルト人はローマ帝国の支配を受けて、7世紀頃までにはキリスト教(カトリック)に改宗します。

キリスト教にはもともと「万聖説=諸聖人の祝日」と呼ばれるキリスト教の発展に尽くした「聖人」を崇敬する記念日がありました。

カトリック教会はこの万聖説を普及させるために、「サンハイン祭」の夜に続く11月1日に「万聖説」を移動したという説があります。

この時、教会は各民族がすでに築いていた祝祭を禁止しないという方針をとっていたため、「サンハイン祭」が「万聖説の前夜祭」と変更されてもなお、ケルト人の伝統的な風習は残され、収穫祭としての色彩が強いパーティ(宴)を開き、死者(ゾンビや魔女)が行進するといった現代のハロウィンにも繋がっていると考えられています。

そして、「ハロウィーン」の語源は、万聖説がかつて「オールハロウズ・デー」と呼ばれていたことに由来しています。

なお、「万霊説」は、現在のカトリック教では「死者の日」と呼ばれており、「諸聖人の祝日」に続く11月2日にお墓に行って死者に祈りをささげる日なのですが、これもキリスト教が成立する以前の古代ローマの先祖の敬う信仰やケルト人の「サンハイン祭」が元になっているという説があります。

日本人にとってハロウィンは欧米からもたらされた文化であるという認識があるため、クリスマスやバレンタインと同じくキリスト教の祭典のひとつと思われているかもしれません。

しかし、ハロウィンの文化はこのようにキリスト教的なものとは異なっており、宗派によってはハロウィンを「異教の祝祭」であると考えられています。

2.かぼちゃのランプをなぜ飾るのか?

かぼちゃを削ってランプにする「ジャック・オー・ランタン」をハロウィンで飾るという習慣は19世紀のアメリカで誕生しました。

もともと「ジャック・オー・ランタン」は、ヨーロッパで広く知られていた「ジャックの伝説」が元になっています。

生前に悪いことをした鍛冶屋のジャックが、死後の世界に行くことができずに、「かぶ」で作ったランタン(明かり)を手に持ってこの世をさまよっているという伝説です。

つまり、「ジャック・オー・ランタン」とは死者の魂を表現したものです。

ハロウィンの起源であるケルト人の宗教観には、「死者は、死後の世界にいく」という考え方があったため、ケルト人のお祭りであるハロウィンとジャックの伝説が結びついて「ジャック・オー・ランタン」が作られるようになりました。

そして、アメリカでは、ハロウィンが普及する前から、アメリカ大陸原産の作物である「かぼちゃ」を削って顔の造形を作るという風習がありました。

その後、19世紀に大量のアイルランド人とスコットランド人がアメリカに移住し「ハロウィン」がもたらされると、「かぶのランタン」がアメリカのかぼちゃの造形と結びついて「かぼちゃのランタン」になったと考えられています。

そのため、ハロウィン発祥の地であるイギリスでは、現在も「かぼちゃ」でなく「かぶ」でランタンを作ります。

3.なぜ仮装をするのか?

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「ハロウィン」はケルトの収穫祭である「サンハイン祭」が起源です。

「サンハイン祭」には豊作を祈ることの他に、もうひとつの意味がありました。

それは、秋が終わる10月31日は死後の世界の扉が開き、死者があの世に行くことができる日という意味です。

日本の「お盆」にもよく似た考え方です。

つまり、ハロウィンの仮装とは、死者が「あの世」に行こうとする姿を表現したものなのです。

そのため、「死者(ゾンビ)」のほかに「魔女」や「黒猫」など不吉なものに仮装するのです。

ハロウィンは、ケルト人の死生観を下地にしつつも、一方では「食べて、飲む」という収穫祭ですから、そのお祭りを盛り上げる一環として、時代を経て仮装が行われるようになったと考えられています。

現在のような仮装行列は、20世紀初頭のアメリカで行われるようになりました。

これはハロウィンという「食べて、飲む」というお祭りに乗じて、若者が酔って悪さをするようになったため、教会や市民団体がパーティや仮装行列を若者に普及させて、周囲に迷惑をかけないように楽しませたことが始まりと言われています。

3.なぜお菓子がもらえるのか?

ハロウィンといえば、子供たちが町内の家々を回って、「トリック・オア・トリート(お菓子をくれないと、いたずらするぞ)」と発して、お菓子をもらうという行事が有名です。

実はこの行事も、仮装行列と同じく、子供たちがハロウィンの夜に悪さをしないようにするために大人達が考えた行事が起源であると言われています。

第二次世界大戦後に「トリック・オア・トリート」がアメリカ全土に広がっていくと、この行事に目を付けた産業界がこぞってお菓子や玩具などのハロウィン関連グッズを販売するようになり、アメリカを代表する文化としてハロウィンは定着しました。

そして、日本でもディスニーランドの「ホーンデッドマンション」のハロウィンイベントやティムバートンの映画「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」等のアメリカ文化を通じて、ハロウィンが広く知られるようになっていきます。