出生通知書とは何か?

赤ちゃんが誕生したら出生通知書(出生通知票)を自治体に提出する必要があります。

出生通知書はなぜ提出が必要なのか解説します。

出生通知書とは何か?

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1.出生通知書の名称

出生通知書は、出生通知票、出生連絡書、出生連絡票など様々な呼び方が存在します。

自治体によって呼称が異なりますが、いずれも同じものです。

2.出生通知書の目的

出生通知書には、主に3つの目的があります。

新生児訪問

母子保健法では、市区町村から助産師や保健師を訪問させて、妊産婦や乳幼児に対して保健指導を行うことしています。

出生通知書を市区町村が受け取ると、助産師・保健師などが自宅を訪れて、赤ちゃんの身長や体重などを計測し、育児のアドバイスをしてくれます。

乳児訪問

生後4か月に未満の赤ちゃんがいる家庭を母子保健推進委員や児童委員などが訪問して、地域の子育て情報の提供し、育児の相談にのってくれます。

「新生児訪問」とは目的が異なるため、別々に訪問をする場合もあれば、保健師(助産師)が新生児訪問する際に乳児訪問を兼ねる場合もあります。

低体重児の届出

母子保健法で「体重が2500g未満の乳児が出生したときは、その保護者は、速やかに、その旨をその乳児の現在地の市町村に届け出なければならない。」としています。

出生通知書はこの低体重児の届出を兼ねているため、身長・体重などを記入する項目があるのです。

3.提出方法

ほとんどの自治体では、母子手帳に「出生通知書」を提出するハガキが添付されています。

また「出生届」を役所の窓口に提出する際に、「出生通知書」の用紙も記入するように促されることもあります。

4.出生届との違い

「出生通知書」と「出生届」はよく似た名称で、記入する項目もほとんど同じです。

なぜ、わざわざ2つ提出する必要があるのでしょうか?

まず「出生届」は戸籍法に基づいて届けるもので、赤ちゃんの戸籍や住民票を作り、社会の一員として把握されます。

「出生届」をしておかないと、いわゆる「無戸籍」の状態となり、健康保険証の交付や保育所・学校などあらゆる公的なサービスを受けさせることができません。

一方の「出生通知書」は母子健康法に基づく新生児訪問(乳児訪問)のために提出するものです。

つまり、根拠となる法令が異なり、また取り扱う自治体の部署も異なるため、「出生届」と「出生通知書」をそれぞれ別の窓口に提出する必要があるのです。

「出生通知書」は保健センターなどの保健事業を行う部署に保管され、ママと赤ちゃんの健康にとって有用な行政サービスを提供するために利用されます。

4.もし出生通知書を提出しなかったら?

出生通知書を提出しないと、保健師などによる乳児訪問を受けられない場合があります。

乳児訪問の有無で特別な不利益があるわけではありませんが、産後の悩みなどについて専門家がアドバイスしてもらえますし、場合によっては赤ちゃん特有の病気に気づくこともあるため、忘れずに出生通知書を提出しましょう。

なお、全家庭を乳児訪問するように国が推奨しているため、仮に「出生通知書」を提出しなかったとしても、自治体の担当部署が住基台帳などを使って赤ちゃんを把握し、乳児訪問を受けるように連絡することになります。

乳児訪問(新生児訪問)の内容

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「乳児訪問」についてより詳しく説明します。

出生通知書を提出して「乳児訪問」を受けることの大切さを知ってください。

身体測定

身長や体重を測定して発育状況を確認します。

出生時の体重と比べてどの程度大きくなっているか把握し、母乳育児のアドバイスをしてくれます。

その他、赤ちゃんの体の状態を診て、赤ちゃん特有の疾患がないか確認します。

アンケート調査

赤ちゃんの保護者にアンケート調査を行います。

例えば「赤ちゃんが生まれて嬉しかったですか?」「育児について相談する人は誰がいますか?」「経済的に困っていますか?」といった項目です。

赤ちゃんとママの健康状態だけではなく、生活環境や経済状況なども把握して、必要な行政サービスにつなげます。

たとえば、母子家庭で経済的に困窮していたら児童扶養手当の制度を紹介したり、ママが持病を抱えていて家事で苦労している場合にはヘルパー制度を紹介してくれます。

育児相談

育児全般について相談にのってくれます。

たとえば、夫が育児に協力的でない、悩みを分かち合えるママ友がいない、母乳育児がつらいなど、どんなことでも話してみましょう。

聞いてもらえるだけでも気持ちが落ち着きますし、必要に応じて適切なアドバイスをしてくれるでしょう。

お祝い品

自治体によっては絵本などのお祝い品を乳児訪問の際に持ってきてくれます。

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