国内で粉ミルクを販売している「明治」「森永乳業」「和光堂」「ビーンスターク」「メグミルク」「グリコ」の6社の商品を紹介します。
国内メーカー6社の粉ミルク比較
値段は2017年4月10日にamazonで調査したものです。「大缶」の価格を用いて100g換算で比較しております。
1.新生児用粉ミルクの比較
メーカー | 商品名 | 値段(100g) | 月齢 | スティック |
明治 | ほほえみ | 336円 | 0か月~ | 有 |
森永 | はぐくみ | 250円 | 0か月~ | 有 |
森永 | E赤ちゃん | 328円 | 0か月~ | 有 |
和光堂 | はいはい | 213円 | 0か月~ | 有 |
雪印ビーンスターク | すこやかM1 | 256円 | 0か月~ | 有 |
雪印メグミルク | ぴゅあ | 284円 | 0か月 | 有 |
グリコ | アイクレオのバランスミルク | 368円 | 0か月 | 有 |
まず、全ての商品でスティックタイプの設定があるため外出時も同じミルクを使用したいというママにはどの商品も安心して使うことができます。
さて、値段については300円以上の高価格帯商品が3点あります。
高い商品なので、200円代の商品と何が違うのか知りたいところです。
まず、違いがわかりやすいのは「森永E赤ちゃん」です。
「森永E赤ちゃん」は、同メーカーの「はぐくみ」と同じ栄養成分でありながら、牛乳のたんぱく質を腸で消化吸収しやすい大きさに特殊加工しているため、牛乳アレルギーになりにくいとしています。
森永では特に牛乳アレルギーの兄(姉)を持つ赤ちゃんに「E赤ちゃん」を使うことを推奨しています。
アレルギーが心配な方は試してみるとよいかもしれません。
なお、すでに牛乳アレルギーの赤ちゃんには使えません。
続いて「明治ほほえみ」は、母乳とほぼ同じ量のDHAとアラキドン酸が配合されていることをアピールしています。
しかし、これらの成分は「はいはい」や「はぐくみ」などの低価格帯の商品にも、やや少ない量ではありますが配合されています。
では他社にない特徴は何でしょうか?
それは「明治ほほえみ」は、スティックタイプが唯一「キューブ状」になっている点です。
スティックの欠点は、1度に作る量が細かく調整できないため飲む量が少ない新生児の場合、使いきれずに無駄にしてしまうことが多いのですが、「ほほえみキューブ」だと20g単位に小分けにして使うことができるので、とても利便性が高いです。
筆者は、普段「はいはい」を母乳後にちょい足しで使っていますが、外出時や子どもを預ける時には「ほほえみキューブ」を使っています。
1種類の粉ミルクだけを使いたいというママには、外出のことを考えると「ほほえみ」は最有力の選択肢になります。
「アイクレオのバランスミルク」はさらに他のミルクとの違いが分かりにくい商品です。
商品サイトでPRしているヌクレオチドやガラクオリゴ糖は他社製品にも配合されています。
違うと言えば母乳に近い「香り」にこだわっているという点でしょうか。
確かに完全母乳育児を目指すママには魅かれるポイントですが、香りが原因で母乳が進まないというのは聞いたことがありません。
中にはそういう赤ちゃんもいるのかもしれませんが。
あとは、ナトリウム(塩分)量が母乳と同じ量(他社の2倍)を配合しているため「引き締まった」体になりやすいそうです。
とはいえ、アイクレオを使う人は「病院でも使っていたから」という理由で選択するケースが多いのではないでしょうか。
なぜならアイクレオは低出生体重児(2500kg未満)向けの特殊ミルクも製造しており、多数の医療機関で採用されています。
味が変わって飲まなくなることもあるため、そのまま同じメーカーのミルクを使い続けることは割とよくあるからです。
さて、新生児用ミルクの比較をしましたが、粉ミルクを選ぶ際には、結局のところ、成分の良し悪しよりも、赤ちゃんが良く飲んでくれることが一番重要です。
飲んでさえくれれば、どの商品でも構わないでしょう。
2.フォローアップミルクの比較
メーカー | 商品名 | 値段(100g) | 月齢 | スティック |
明治 | ステップ | 260円 | 12か月~ | 有 |
森永 | チルミル | 218円 | 12か月~ | 有 |
和光堂 | ぐんぐん | 163円 | 9か月~ | 有 |
雪印ビーンスターク | つよいこ | 227円 | 9か月~ | 有 |
雪印メグミルク | たっち | 234円 | 9か月~ | 有 |
グリコ | アイクレオのフォローアップミルク | 281円 | 9か月~ | 有 |
フォローアップミルクに移行するためには、しっかりと1日3回離乳食を食べられるようになり、母乳(ミルク)に頼らなくても必要な栄養素が摂れるようになっていることが必要です。
栄養成分上の新生児用ミルクとの違いは、タンパク質が多く脂質が低いということです。
また、食品からは1日の必要量を摂取しにくい鉄分とカルシウムが強化されています。
フォローアップミルクについては、メーカーごとに際立った特徴があるわけではありません。
例えば、最高価格のアイクレオと、最低価格のぐんぐんの栄養成分を見てみましょう。
栄養素 | アイクレオ | ぐんぐん |
エネルギー | 484kcal | 474kcal |
たんぱく質 | 15.5g | 14.3g |
脂 質 | 21.7g | 20.0g |
炭水化物 | 56.8g | 59.5g |
食塩相当量 | 0.51g | 0.22g |
ビタミンA | 490μg | 360μg |
ビタミンB1 | 0.7mg | 0.6mg |
ビタミンB2 | 0.8mg | 0.8mg |
ビタミンB6 | 0.7mg | 0.6mg |
ビタミンB12 | 1.5μg | 1.2μg |
ビタミンC | 74mg | 50mg |
ビタミンD | 5.5μg | 5.0μg |
ビタミンE | 6.5mg | 6.0mg |
ビタミンK | – | 20μg |
ナイアシン | 7.7mg | 5.3mg |
葉酸 | 130μg | 110μg |
パントテン酸 | 5.5mg | 4.0mg |
ビオチン | 16μg | 20μg |
カルシウム | 725mg | 720mg |
リン | 390mg | 400mg |
鉄 | 8.3mg | 9.5mg |
カリウム | 625mg | 750mg |
マグネシウム | 60mg | 65mg |
β-カロテン | 90μg | 30μg |
リノール酸 | 2.6g | 3.0g |
α-リノレン酸 | 0.45g | 0.3g |
ドコサヘキサエン酸(DHA) | – | 80mg |
リン脂質 | – | 230mg |
塩素 | 470mg | 510mg |
ヌクレオチド | 21mg | 6mg |
ガラクトオリゴ糖 | 0.3g | 1g |
灰分 | 3.5g | 3.8g |
水分 | 2.5g | 2.4g |
このように差はほぼありません。
アイクレオで特に優位性があるのはヌクレオチドとβ-カロテンが3倍以上含まれている点でしょうか。
ただ「ぐんぐん」にはビタミンKが含まれています。
DHAはアイクレオに含まれていませんが、その分、DHAに変化するα-リノレン酸が多めに含有しています。
フォローアップは食事の補助にすぎないので、どの粉ミルクがいいというよりは、そもそも離乳食がしっかりと食べられるように、ミルクの飲み過ぎには注意しましょう。
3.特殊(アレルギー等)粉ミルクの一覧
疾患の治療用に使用する市販の特殊ミルクを紹介します。
特殊粉ミルクついては医師の指示に基づき商品を選びましょう。
メーカー | 商品名 | 値段 | 特徴 |
明治 | ミルフィーHP | 393円 | 牛乳アレルゲン除去・無乳糖 |
明治 | 必須脂肪酸強化MCTフォーミュラ | 1080円 | 脂質吸収障害症 |
明治 | MCTフォーミュラ | 1068円 | 脂質吸収障害症 |
明治 | エレメンタルフォーミュラ | 937円 | 牛乳アレルゲン除去・無乳糖 |
森永 | ノンラクト | 432円 | 無乳糖 |
森永 | ARミルク | 326円 | 胃食道逆流症用 |
森永 | MA-mi | 405円 | 牛乳アレルゲン低減 |
森永 | ニューMA-1 | 513円 | 牛乳アレルゲン低減 |
和光堂 | ボンラクト | 282円 | 大豆ミルク |
雪印ビーンスターク | ペプディエット | 493円 | 牛乳アレルゲン除去・無乳糖 |