授乳中にできる「痛いしこり」と「痛くないしこり」の違いは何か?

母乳で育児をしていると「しこり」ができることがあります。

痛みのあるしこりもあれば、痛みのないしこりもあります。

その違いと対処法について解説します。

痛みが「ある」しこりと「ない」しこりの違い

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授乳中にできる「しこり」は、乳汁(お乳)が乳腺で大量に分泌されるにも関わらず、何らかの原因で、乳汁がおっぱいの外に排出されずに、うっ滞する(残る)ことで「しこり」ができます。

授乳性の「しこり」は、乳房の内側、外側、乳輪、乳頭など、どこにでもできる可能性があり、小さい物もあれば、乳房の半分程度の大きさのものが顕わることもあります。

また、全く痛みがないもの、押すと痛みを感じるもの、押さなくても「ずきずき」と痛いものなど、状態は様々です。

つまり、痛みが「ある」、「ない」に関わらず、授乳による「しこり」そのものについては、乳汁がうっ滞するという同じ要因で顕れます。

そして、「しこり」ができた場所や形状によって、組織の炎症が起きて「痛み」を感じるようになります。

「しこり」ができてしまう一般的なケース

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授乳中に「しこり」できることが多いのが、初産婦です。

初産婦の場合、「しこり」になりやすい条件が重なりやすいのです。

まず、母乳の出始めの時期は、さらさらした成分ではなく、やや粘々としているため、固まって乳栓(にゅうせん)になりやすいとされています。

乳栓とは、乳汁を乳腺から乳頭まで届ける管である「乳管」が、固まった乳汁によって塞がれてしまっている状態です。

これにより、乳汁が乳房にうっ滞してしまいます。

また、初産婦の場合、乳管そのものが狭いために、乳栓ができやすいことがあります。

さらに、母親も赤ちゃんも授乳に慣れておらず、おっぱいを残さないように飲ませることができないことも、「しこり」ができやすい要因のひとつです。

これらの要因が重なって、初産婦は「うつ乳(乳汁うっ滞)」になり、しこりができやすいとされています。

初産婦の授乳による「しこり」は、生後1~2週間頃にできることが多く、その後は、授乳が安定して、「しこり」も消えていきます。

「痛くない」しこりができた場合

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痛みがない状態であれば、授乳をするときに、しこりの部分を手で軽く押しながら吸わせることで、貯まったお乳を赤ちゃんに飲んでもらうことができます。

また、乳頭や乳輪にしこりがある場合には、乳栓になっている可能性があるで、温めて血行を良くし、刺激の少ないオイルなどでマッサージしてから、授乳や搾乳をすることで、お乳が良く出るようになり、しこりもなくなります。

乳頭や乳輪が硬いと、赤ちゃんがおっぱいを咥えた時に傷ついたり、亀裂が生じたりして、強い痛みがでることがあるため、できるだけ血行を良くして柔らかくしてあげましょう。

なお、痛くないしこりがずっと残る場合には、授乳による「しこり」以外の原因があるかもしれないため、一度、医療機関で検査をしたほうがよいでしょう。

授乳以外の「しこり」の原因については、こちらの記事も参考にしてください。

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「痛い」しこりができた場合

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まず、しこりが「痛い」だけでなく、乳房そのものが発赤している(赤くなっている)、または、熱を持っている場合には乳腺炎になっていますので、すぐに医療機関を受診しましょう。

医師による適切な治療を行わないと、ますます悪化する恐れがあります。

逆に、しこり部分を押すと「多少の痛み」を感じる程度であれば、しっかりと授乳をすることで、しこりを取ることも可能です。

ただし、乳腺炎の一歩手前まできていますので、痛みが続いたり、強くなるようであれば、やはり医療機関を受診しましょう。

多少「痛い」しこりができた場合の対処法は、「痛くない」しこりができた時のものと同じです。

痛いからと言って、授乳をやめる必要はなく、むしろ、生産され続ける母乳を赤ちゃんにしっかり飲んでもらいましょう。

また、痛みが気になる場合には、しこり部分を湿布や保冷剤などで冷やして炎症を抑えることで、痛みが和らぎます。

なお、しこりが気になって、乳房や乳頭を手で触ることが多くなると思いますが、乳腺炎になりかけている状態で手に付着している細菌が侵入すると、全身の発熱を伴うような細菌性乳腺炎に発展する可能性があるので、手を洗ってから触れるようにしましょう。


(参考出典)
岡山中央病院
加藤外科産婦人科・乳腺クリニック
白金高輪海老根助産院